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星の上を歩く Vol.4 ~日暮里・谷中 後編~
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星の上を歩く Vol.4 ~日暮里・谷中 後編~

こんにちは。こんばんは。
東京お散歩ライターのユミです。
「星の上を歩く」4回目の本日は、日暮里・谷中のお散歩後編です。

朝倉彫塑館から出発する時の風景写真

前回訪れた朝倉彫塑館から出発して、本日は谷中霊園 へと足を運んでみましょう。

紅色の鉢植えの写真

冬枯れした色彩の中。
目を引く紅色の鉢植えなどに心奪われつつ。

谷中の路地裏から開けた道へ出た写真

道なりに歩いていくと、谷中の路地裏はいつの間にか墓地の景色へと変わっています。
仕切りや囲い、高い塀などは見当たらず、気が付けば景色全体が谷中霊園。

谷中霊園の入口付近の写真

そして、立札や看板よりも分かりやすい、谷中霊園ならではの目印も。

のったのった歩く猫の写真

猫です。

のったのったと移動する、谷中霊園の名物。

丸くなっている眠り猫の写真

墓石の上で丸くなっている眠り猫。

仏教には「涅槃(ねはん)」という言葉があります。それはあらゆる煩悩から解き放たれた、穏やかな悟りの境地を意味します。

まさにこの猫の寝顔こそが「涅槃顔」
何とも安らいで見えます。

墓地の道案内の看板に張り出された埋葬者のリストの写真

墓地の道案内の看板に張り出された埋葬者のリスト。

江戸幕府第15代にして、最後の将軍となった徳川慶喜。「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一などの著名人。そして朝倉彫塑館の主・朝倉文夫も名を連ねています。

「2つ3つ、有名人のお墓でも見て帰ろ」
「あら、見てほら。外国人の名前もある」

まるで合格発表を見に来た人のように死者の名簿を読み上げ、指をさすのは、 少女とその祖母らしき人。

お墓の写真

墓石を立て、戒名を刻み、花や菓子を供える。

一見すると、墓所で行われるそれらの行為は、彼岸に渡った死者に一方的に捧げられているかのようです。

けれど墓前に立ち、死者を想うことを通じて、私たちは死と分かちがたく結びついている自らの命をも意識します。
それは死者を媒介にして、「死」を「生」の中に溶かし込む仕草です。

寒空の下、西日射すある人の墓石に指を触れた時の「死」の感触。
それは氷のようにひやりと冷たく。
けれど、不安や恐れを取り外された、なめらかな手触りでした。

少女と祖母のはずんだ話し声は、いつの間に立ち去っています。

谷中霊園を出たところにある駅への道の写真

さて、谷中霊園をひとしきり歩いたところで、駅までの道を戻ることにしましょう。

駅への道にあるお菓子屋さんの写真

だいぶ日も落ちて、あたりが暗くなってきました。
そろそろ谷中の商店街の店先に電気が灯りはじめる時刻。

駅とその向こうのビルの風景写真

駅の向こうに立ち並ぶ、現代の日暮らしの里が見えたところで、谷中・日暮里のお散歩はお開き。
本日もお付き合いいただき、まことにありがとうございました。

次回予告

次回みなさまをご案内するのは、太宰治や森鴎外など文豪たちのゆかりの地としても知られる三鷹。

現在は「ジブリの森美術館」などを目的に訪れる人も多い三鷹ですが、戦後はひととき青線地帯として栄えた歴史もある、星の上のお散歩にはうってつけの風情あふれる街です。

どうぞお楽しみに!

谷中霊園の紹介

施設名 谷中霊園
住所

〒110-0001 東京都台東区谷中7-5-24
Googleマップ

最寄り駅 「日暮里」駅 徒歩約6分
参考サイト

「都立霊園公式サイト TOKYO霊園さんぽ」谷中霊園

記事を書いた人

東京お散歩ライター:ユミユミ:東京お散歩ライター
大学時代に美術史を学び、2015年4月より「notte!」編集部へ。
東京という街の現代から縄文時代までを紐解きながら、散策日記を執筆中。

過去の記事

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