notte!|電車にノッテ楽しむサイト

星の上を歩く Vol.5 ~太宰治と歩く三鷹・前編~
Facebook
Twitter
シェア

星の上を歩く Vol.5 ~太宰治と歩く三鷹・前編~

こんにちは。こんばんは。
東京お散歩ライターのユミです。
「星の上を歩く」5回目の本日は、緑あふれる東京郊外の入口・三鷹をお散歩します。

写真

地名の由来は諸説ある三鷹。
「鷹」の文字からも分かるように、江戸時代には将軍家の鷹狩に使われていた土地なのだとか。

写真

『三鷹の森ジブリ美術館』を目的に訪れる人も多い三鷹駅。

写真

しかし、本日のお散歩の目玉はトトロでも天空の城でもなく……

写真

こちら!
昭和を代表する作家・太宰治です。

『走れメロス』『人間失格』『斜陽』……などなど。
本好きでなくても、何かしらのかたちで太宰治の名前をご存じの方も多いのではないでしょうか。

写真

実は三鷹は、太宰治が作家人生の大半を暮らしたゆかりの土地。
青森県に生まれた太宰は、結婚後に三鷹に移り住み、愛人とともに玉川上水へ入水してその生涯を終えるまで、この土地で数々の傑作を生み出しました。

写真

心中未遂やパビナール中毒など、スキャンダラスな単語に彩られた彼の人生年表を紐解くと、「いかにも芸術家」という破天荒なイメージを持たれるかもしれません。

しかしその一方で、太宰は地道に小説を書き続けた堅実な「仕事人」であり、また妻子とともに地に足をつけた暮らしを営む「生活人」としての顔も持っていました。

写真

そんな太宰治の等身大の横顔を探して、やってきました!
『太宰治文学サロン』 です。

写真

生前に太宰が通っていた酒屋「伊勢元」の跡地に平成20年にオープンしたこちらのサロン。

写真

太宰ゆかりの品々を間近に見ることができる企画展示や朗読会などのイベントが定期的に開催されています。

そして、サロンの目玉は展示品だけではありません。

展示品を見つめていたはずが、気が付くと始まっている、太宰トリビアを豊富にたずさえたスタッフとのおしゃべり。

その間合い。
その饒舌。
その懐かしいような心地良さ。

写真

「今年の桜桃忌は日曜日だから、どうだろうね」
「ずいぶん混むかもしれないよ、なんせ日曜だから」
「そういえば、お客さん。禅林寺さんにはもう行かれましたか」

今日、これから足を運ぶつもりです。
答えながら、 ここにいる誰ひとりとして、太宰治、その人に会ったことはないのだ。
そんな当たり前の事実が、ひらりと頭をよぎります。

写真と文章でしか知らない人について、ここに居合わせたすべての人が思いを凝らし、話している。
まるで共通の知り合いを噂するように。
親しみと愛着をにじませながら。

写真

桜桃忌。
それは入水後に太宰の遺体が発見された因果の日であり、同時に太宰治、生誕の日。

死してなお、人々の心の中に生き続ける。
それが一体どういうことなのか。

サロンでの束の間のひとときに、その言葉の意味をありありと眺めた気がします。

写真

さて。
太宰治ゆかりの品に触れた後は、『三鷹太宰治マップ』を元に三鷹の太宰スポットを訪ねてみることにしましょう。

写真

まずは駅前に戻って、かの有名な玉川上水からスタートです。
(後編に続きます!)

次回予告

いよいよ次回は地図を片手に、太宰治ゆかりの三鷹をお散歩しましょう。
玉川上水からスタートして、桜桃忌には多くのファンが墓前に足を運ぶという三鷹・禅林寺にもお邪魔します。どうぞお楽しみに!

取材協力:太宰治文学サロン

施設名 太宰治文学サロン
住所

〒181-0013 東京都三鷹市下連雀3-16-14 グランジャルダン三鷹1階
Googleマップ

最寄り駅 「三鷹」駅 徒歩約5分
備考

太宰治文学サロン 公式サイト
※『三鷹太宰治マップ』は「太宰治文学サロン」にて購入することができます。

記事を書いた人

東京お散歩ライター:ユミユミ:東京お散歩ライター
大学時代に美術史を学び、2015年4月より「notte!」編集部へ。
東京という街の成り立ちを紐解きながら、散策日記を執筆中。

過去の記事

関連記事