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震災から6年、JR常磐線の復旧区間を旅する
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震災から6年、JR常磐線の復旧区間を旅する

こんにちは。乗換BIG4の鈴木です。
どうにもシリーズものをやろうと思ってもなかなかできないので、これからは単発ネタだけ書こうと思います(すみません……)。

さて、東日本大震災から6年が経過しました。
この震災による津波や原発事故などの影響で、JR常磐線は多くの区間で被害を受け、現在も全線復旧には至っていません。

そんな中でも、2016年には小高−原ノ町間、相馬−浜吉田間がそれぞれ復旧し、少しずつ運転区間を拡大しています。

ということで、先日この復旧区間を旅してきましたので、その現状をお伝えしようと思います。

南相馬へ

2017年2月19日(日)、新幹線で福島駅にやってきました。
この日はかなり寒く、晴れているのに雪が舞い散る天気雪といった雰囲気で、いきなり東北の洗礼を受けた感じです。

中通りの福島駅から福島交通の急行バスで浜通りへ向かいます。

福島駅前の写真
福島駅前

原ノ町(はらのまち)駅

バスに乗って川俣町、飯舘村を経由し、約1時間半で福島県南相馬市の中心駅、原ノ町駅に到着です。

ちなみにバス停の名前は原町駅前(はらまちえきまえ)の写真
ちなみにバス停の名前は原町駅前(はらまちえきまえ)

原ノ町駅は古くから常磐線の拠点的な駅として存在するだけあり、数多くの側線が威厳を感じさせます。

震災当日、この駅に停車していた特急スーパーひたちの651系電車は、前後の区間が不通となったため長らく留置されていました。現在は普通列車用の415系などとともに撤去されています。


2015年9月21日時点の原町駅前(はらまちえきまえ)付近の写真
2015年9月21日の様子。現在この車両は止まっていない

小高(おだか)駅

原ノ町駅から電車で2駅、南相馬市小高区の小高駅にやってきました。今回旅をした2017年2月時点での常磐線仙台側の終点です(現在は浪江駅まで)。

2016年7月12日に周辺の避難指示が解除されたことにより、小高−原ノ町間も運転を再開しました。


三角屋根の小高駅の写真
三角屋根の小高駅

通常はホームのない中線に仮設ホームがあり、列車はここで折り返しを行っていました。

駅前はあまり人通りが多くなく、ところどころに家屋が解体されたことを示す看板の立った空き地があるなど、いろいろなところから震災の影響を感じます。


小高駅の仮設ホームの写真
小高駅の仮設ホーム

移設区間へ

原ノ町駅に戻り仙台行きの列車で北に向かいます。

2016年12月10日、相馬−浜吉田間が5年9ヶ月ぶりに運転を再開しました。このうち駒ケ嶺−浜吉田間は津波の被害が大きく、沿線の街とともに線路は内陸に移設されました。

今回は、移設された3つの駅に降りてみることにしました。

新地(しんち)駅

福島県新地町の新地駅は、常磐線で福島県内最北の駅です。
この駅は常磐線でも特に被害が大きく、停車していた列車が流され大破した報道写真には衝撃を受けました。


新しい新地駅の写真
新しい新地駅

駅は以前よりも数百メートルほど西寄りに移転し、2面2線の地上駅に生まれ変わりました。

駅から海側は嵩上げ工事の真っ只中で、現在立ち入ることはできません。
山側は土地の造成がほぼ終わった様子で、何もない区画整理された空き地が広がっていました。

鉄道の運行は再開されましたが、街づくりはいよいよこれからといったところでしょうか。


駅前に広がる空き地の写真
駅前に広がる空き地


まだ使われていないバスのりばの写真
まだ使われていないバスのりば

この日は台風かと思うほど風が強く、建物のない駅前を歩くだけでもとても寒かったです。

駅で次の列車を待っていたら強風とともに駅舎が揺れ、こんな地震みたいな揺れ方するほど強いのかと思ったら本当に地震でした。この時は小さな地震でしたが、数日後には震度5弱の地震もあり、一時よりは収まったとはいえ、まだまだ活発なことを実感します。

坂元(さかもと)駅

宮城県に入って最初の駅、山元町の坂元駅です。
この駅は1kmほど内陸に移設されましたが、国道6号線沿いなので交通量が多く幾分にぎやかな印象です。


新しい坂元駅の写真
新しい坂元駅

ここから海寄りも工事中の場所がほとんどです。ある程度歩いていくことはできますが、周辺の工事とともに旧坂元駅は完全に撤去されているようです。

1面1線の高架駅で次の列車を待ちましたが、強風の影響で30分遅れの運行となっていました。

強風が吹き付けるホームで30分待つのは堪えました……というか、なぜ待合室で待たなかったのか……。


3月31日まで適用された線路付替に伴う運賃の特例の写真
3月31日まで適用された線路付替に伴う運賃の特例

山下(やました)駅

山元町の役場に近い山下駅です。1面2線の高架駅で折り返し列車も運転されています。

山側の役場周辺は新興住宅地として整備が進められています。
さきほどの駅が坂元で、ここは山下駅。どうやら町の名前は、この2つの地名を合成したもののようですね。


新しい山下駅の写真
新しい山下駅

山下駅の海側は震災前からの住宅地が広がっています。
1kmほど歩いて旧山下駅まで行ってみました。

旧駅ではホームはそのまま残され、震災モニュメントとしての整備が行われています。
数十年使われた駅がなくなってしまったのは残念ですが、復興に向けて確実に前進しています。


旧山下駅跡地。周辺は整備工事中の写真
旧山下駅跡地。周辺は整備工事中

今回のきっぷ


使用したきっぷの写真

今回利用したきっぷです。

行きの新幹線は「えきねっとトクだ値」 を利用して3割引、帰りは小高から仙台経由の普通乗車券で途中下車しながら旅をしました。

まあ「週末パス」 を買ったほうが安かったのですが、小高からの乗車券にしたかったのでしょうがないですね。

おわりに

ということで、昨年復旧した常磐線の駅を辿ってみました。

鉄道は復旧しましたが沿線地域の復興は始まったばかりという印象です。これからの5年、10年でどんな街になっていくのでしょうか。

残る常磐線の不通区間ですが、浪江−小高間は2017年4月1日に運転が再開されました。
その他、竜田−富岡間が2017年10月、富岡−浪江間が2020年復旧の目標とされています。

まだまだ時間はかかりますが、また全線復旧した常磐線で旅ができる日を心待ちにしています(個人的には、震災前に計画されていたいわき−仙台間の特急が運行されないかなあと思うのですが……)。

記事を書いた人

乗換BIG4・鈴木 
鈴木(すずき):乗換BIG4
ヴァル研究所 開発部所属。駅すぱあとの中枢に潜り込み、乗り鉄のかたわら運賃制度を極めんとするエンジニア。足の向くまま気の向くままに鉄道旅を楽しんでいる。

 

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